生命倫理

羽田澄子監督の作品を観た。80歳の監督が、在宅医療について取材した映画だ。病院で、点滴などの管だらけで死んでしまう終末医療ではなく、在宅医療で家族に看取られながら死を待つことがどれだけ人間的な死を迎えられるかと訴えている。
最近、生命倫理について興味がある。NHKで立花隆が「サイボーグ近未来」を取材したドキュメンタリーが放映された。人間の神経をパソコンで解析する神経工学という分野の急成長が著しいそうだ。自己で腕がなくなった人の神経に、電極を接続してロボットの腕の意識だけで動かすことに成功しているそうだ。頭を切開して脳の深部に電極を差し込んで、パーキンソ病を治す技術の紹介、それだけでなく脳に数十本の電極を埋め込んで、脳からパソコンヘ命令する首から下半身不随の男性の頭にはパソコンの接続部分が頭皮から顔をのぞかせていた。ホラー映画でも観ている気分になったが、冷静なNHKのナレーションがオブラートに包む。
 この技術を人間に応用して、将来的には軍事利用することをアメリカ軍は公表している。すでに番組の中で、本物のネズミ電極を埋め込んで、リモコンで右左をコントロールして歩かせる技術が確立されていることが紹介されている。終末的な気分にさせてくれるドキュメンタリーだった。立花隆が、この技術の進歩に驚きを隠せず、熱っぽく語りながら「この技術の使い道を間違えたら、大変なことになります。」という。使い道を抑制することなどできるのか?医療と軍事的な利用とが結び付くことにも驚いたし、NHKの番組構成がサイボーグ技術の近未来というレベルで紹介している危うさにも驚いた。
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by barubuhutatabi | 2006-10-28 12:36


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