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めぐみ

横田めぐみさんを中心に拉致被害を描いた映画「めぐみ」を観た。
日本人ではなく、アメリカのジャーナリストがよくここまで密接な関係を拉致家族と築くことがでたのかと思った。日本人の制作者が拉致被害者の家族に加担するのは、容易なことではないのだろうと思う。拉致被害を無視された長い時間の後に、急に注目され政治家が血気盛んに応援するのをみていると、やはり安易に加担することの難しさがあると思う。
海外の方がストレートに加担できるのはどうしてなのだろうか?いずれにしても、親族を失った悲しみに浸り続けるのをやめ、拉致被害を訴え続けるという生き方は力に満ちていると強く感じた。

制作総指揮が「ピアノレッスン」を監督したジェーン・カンピオンだ。非常に良くできていて、インサートは多いが強引に意味づけるより、遊び心もあるインサートもあった。
しかし効果音がてんこ盛りで、言葉もずたずたに切って、インサートを多用するのはやりすぎかなとも思った。伝えたいニュアンスを素早く伝えようとしているのだろう。このやり方がいいとか、悪いとかではなくて、被写体との関係をこれだけ築いて撮影できたのだからもっとじっくり言葉を聞きたい、映像をゆっくりみていたいと強く思った。
自分がいいなあと思ったドキュメンタリーの作品の多くは余計な編集がされていない、インディペンデントの作品だった。四宮鉄男さんが「俺の編集の仕方は食えないやり方だ。(つまり商業的な作り込みはしない)」言っていたが、僕も観客にへつらって作るのは良くないと思う。だけど、多くの観客に観てもらわないと作品がないに等しくなってしまう。それも困る。

海外の作家が日本人を描いたドキュメンタリー作品で好きな作品
ジャン・ユンカーマン監督(1988制作)『劫火-ヒロシマからの旅-』(画家の丸木位里・俊夫妻を取材したは米国アカデミー賞記録映画部門ノミネート)

映画の固有の時間が感じられた時、被写体に実在感が出てくると感じる。『劫火-ヒロシマからの旅-』には、それがある。
広島、水俣、アウシュビッツといった多くの不条理の風景を描いてきた。ユンカーマンは、夫妻が広島で観た風景を語り、爆弾を落とした側のアメリカ人であるユンカーマンに向かって優しく語りかける。詳しい話の内容は忘れてしまったが、夫妻の作品を作る動機と不条理なものへの向き合いかたに驚いた記憶がある。ユンカーマンは、アメリカ人としてより一層驚いたのではないだろうか。画家の制作風景と、夫妻のインタビューがゆっくりと重なる。二人が喧嘩しながら、お互いの作風を認め、共同制作を続ける。制作のプロセスもおもしろい、丁寧に撮影して構成している。制作の時間を通して、夫妻の存在感は際だってくる。
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by barubuhutatabi | 2007-01-12 01:18 | ロードショー